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【富坂聰 真・人民日報】たまたま“利害”一致し急接近した中朝 水面下で対立続けていたが… (1/2ページ)

 米朝関係の大きな転換の陰に隠れてしまった観はあるが、中朝関係もまた今年に入り大きな変化を遂げた。

 日本に限らず、世界のメディアが中朝の「蜜月」に注目し、「米朝首脳会談の真の勝者は中国」とまで書くメディアも少なくなかった。

 振り返れば昨年11月、訪朝した中国共産党中央対外連絡部の宋涛部長が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に会うことができずに帰国したことを受け、メディアは一斉に「中国のメンツをつぶした」「習近平の顔に泥を塗った」と報じた。

 中朝関係が、もはや修復不可能なほど悪化していることが認知された。

 私は、2007年に編集した『対北朝鮮・中国機密ファイル』のなかで、実は中朝がずっと水面下で激しく対立してきたことを書き、一貫して中国が「後ろ盾などではない」と発信してきた。

 つまり、中朝対立は昨日や今日始まった話ではないのだ。

 だから宋涛派遣が空振った問題でコメントを求められたときには、「中国の指導者の顔はこれ以前から泥だらけで、塗る場所がないほど。だから、この件で中朝関係が変わることはない」と答えた。

 以前にもこの連載で書いたように、北朝鮮の核保有の野心は、中韓国交正常化により中国から見放されたことで加速した。

 それはソ連が「国防新技術に関する協定」を破棄した後に核開発に邁進(まいしん)した中国の動きとダブる。