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【大前研一 大前研一のニュース時評】「市民の銃保有状況」に見る米国の闇 死傷者4人以上の銃乱射事件、全米で1日ほぼ1件 (1/2ページ)

 スイスの銃関連調査団体「スモール・アームズ・サーベイ」が6月18日に発表した2017年の「世界の市民の銃保有状況」によると、米国民が100人あたり120丁を所有して首位。世界の人口の4%の米国民が、民間に出回る非軍事用銃の46%を保有しているという。

 かつて私が米国の農民の家を訪問したとき、壁のガンラックだけでなくピックアップトラックの天井にもショットガンが収納されていた。家主は「ガラガラヘビが出てきたときに撃つ。生活していくうえで必要なんだ」と語っていた。同時に、アラモ砦の戦いの英雄デイビー・クロケットの時代も懐かしんでいた。

 「市民による銃の保有数」で米国に次いで多いのは、100人あたり53丁の中東イエメン。サウジアラビアとイランの代理戦争の、まさに紛争地帯だ。続いて、旧ユーゴスラビアのモンテネグロとセルビアがそれぞれ39丁。以下、カナダ、ウルグアイ、キプロス、フィンランド、レバノン…と続く。欧州の中で意外に高いフィンランドは、かつて自殺大国といわれていた。冬が長いことも影響しているようだ。

 自殺、他殺を含めた「人口10万人あたりの銃に関連した死者数」は、世界で最も治安が悪いといわれる中南米のホンジュラスが1位で、ベネズエラが2位。次いでグアテマラ、ジャマイカ、エルサルバドルなど。米国はOECD(経済協力開発機構)の中ではトップだが、全体では11位。中南米各国に比べ、特に高いということはない。

 ブラジルのリオデジャネイロで1日に殺される人の数は、米国全土と同じらしい。米国人に「ヒューストンは治安が悪い」と言うと、「リオに行ってみろ」と返してくる。