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東京医科大ワンマン運営の病巣 「意見できる人いない」補助金事業落選で焦り (1/3ページ)

 文部科学省の私立大学支援事業をめぐる汚職事件は5日、東京医科大の臼井正彦理事長(77)と鈴木衛(まもる)学長(69)が、贈賄行為を主導した疑いが浮上した。臼井理事長は15年前に同大病院で医療ミスが続発した際の病院長。かねて指摘されてきたワンマン運営の弊害が改めて問われる事態となった。東京地検特捜部の捜査で不正の実態は解明されるのか。

 「『白い巨塔』だから。医科大トップはワンマンが当たり前」。東京医科大の関係者は臼井理事長について、山崎豊子さんの小説になぞらえてこう語った。

 臼井理事長は研究施設の新設を次々と実現させるなど手腕を発揮してきた半面、大学経営者として権力を集中させており、学内では「意見できる人間がいなかった」とされる。

 眼科の権威だった臼井理事長が同大病院の院長に就任したのは平成15年で、就任中は医療事故が相次いだ。同じ執刀医が担当した手術では約1年で4人の患者が死亡。未熟な技術が原因で、指導体制が問題となり、厚生労働省は高度な医療を提供する「特定機能病院」の承認を17年に取り消した(21年に再承認)。

 病院は診療報酬上の優遇が受けられなくなり、後に臼井理事長も院長辞任に追い込まれた。別の関係者は「経営的に厳しくなった」と話し、当時の憂き目が臼井理事長のトラウマになったとみる。

 21年、博士号の学位論文審査に関わった教授が謝礼金を受け取っていたことが発覚した際には、当時学長だった臼井理事長も現金を受け取ったことが明らかになった。別の関係者は「責任を取らず、10年間そのまま。今回の事件に関与していても驚きはない」と切り捨てた。