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金正恩氏の「美人ウェイトレス」たち、集団脱北のウラ (2/2ページ)

 キンタナ氏はそこにメスを入れるのが役目であり、いわば金正恩氏を窮地に追い込むのが仕事だ。その人物が「韓国による拉致」に言及したということは、ことの大勢は見えたというべきだろう。

 注目すべきは、韓国政府の対応だ。韓国政府はこれまで、たとえ本人が希望しても、脱北者が本国へ帰ることを許さなかった。これには、人道的な見地から問題がないわけではない。しかし、「韓国に来てみたけど、期待はずれなのでやっぱり帰る」ということを許容してしまうと、北朝鮮の工作員は脱北者に偽装し、容易に韓国社会に浸透できるようになる。

 そうでなくとも、北朝鮮は脱北者に対する様々な工作活動を繰り広げてきた。故郷の家族を人質に取られている脱北者は、北朝鮮当局の工作に対しぜい弱なのだ。

 (参考記事:美人タレントを「全身ギプス」で固めて連れ去った金正恩氏の目的

 北朝鮮当局は昨年6月、韓国が集団脱北した女性従業員らを送還しなければ、南北離散家族の再会事業に応じない方針を示した。最近の南北対話では、女性従業員らを送還しないまま、8月に離散家族の再会を実現させることが決まっている。とはいえ、北朝鮮側は従来の主張を引っ込めたわけでもない。

 今後、北朝鮮側が文在寅政権に揺さぶりをかけるのは間違いないだろうし、韓国側がそれに苦慮するも間違いない。ただでさえ、南北対話を自分のペースで主導してきたように見える金正恩氏は、強力な交渉カードをもう1枚、手に入れることになるわけだ。

 (参考記事:20代美人ウェイトレスを直撃…「北朝鮮レストラン」の舞台裏

デイリーNKジャパン

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