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貿易戦争で中国GDPさらに減速 政権への批判高まり“社会矛盾”一気に噴出する恐れも

 中国の今年4~6月期の国内総生産(GDP)は前年同期比6・7%増に減速、2016年7~9月期以来の水準にとどまった。米国との貿易戦争本格化で成長率がさらに押し下げられるとの予測もあり、習近平政権は危機感を強めている。

 今回の減速の背景には、過剰債務問題や「シャドーバンキング(影の銀行)」問題を解消するため、構造改革を優先したという事情もある。だが、米中貿易戦争が激化するなかで、景気が想定以上に下振れする恐れが強まっている。

 足元の経済指標も、企業の設備投資を含む固定資産投資や不動産開発投資、消費動向を示す小売売上高が鈍化した。

 米金融大手モルガン・スタンレーは、トランプ米政権が発動方針を示す計2500億ドル(約27兆5000億円)相当の中国製品に対する追加関税が完全に実施された場合、中国のGDPを直接・間接的に計0・6ポイント押し下げると予測。現在は19年成長率を6・4%と見込むが、大幅に下回る可能性もあるという。

 米通商代表部(USTR)は16日、米国が発動した鉄鋼とアルミニウムに高関税を課す輸入制限を巡り、中国や欧州連合(EU)など5カ国・地域の報復関税は不当だとして、世界貿易機関(WTO)への提訴手続きを始めたと発表した。中国やEUなども米国の鉄鋼輸入制限に対しWTOの提訴手続きに入っており、米国との応酬はWTOの場でも激しさを増しつつある。

 今後、米中貿易戦争の影響が拡大すれば習政権への批判が高まり、これまで表面化しなかった社会矛盾が一気に噴出する恐れもある。

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