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【大前研一 大前研一のニュース時評】イラン原油輸入停止 米国の“意地悪”に日本はうまい対抗手段なし (1/2ページ)

 イラン核合意から離脱表明した米国トランプ政権が、イランへの経済制裁を再開する11月4日までに同国産原油の輸入停止を各国に求めたのを受け、日本の石油元売り大手各社も最終調整に入った。10月にもイランからの輸入量はゼロになる見込みだ。

 ただ、イランがゼロになっても、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などの中東諸国からの代替調達により、石油製品の安定供給に支障が生じる恐れは少ないと思われる。とはいえ、調達コストの上昇が石油製品の価格に波及することは避けられない状況だ。

 米国のイラン制裁の方針が明らかになって以降、原油価格は上昇。経済産業省によると、17日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均小売価格は152円30銭で、約3年半ぶりの高値をつけた。

 石油元売り各社はイラン原油をドル建ての銀行決済で購入している。原油が日本に到着して1カ月後に決済されるが、日本のメガバンクから石油元売り大手に対して、イラン産原油の代金決済が停止になる可能性があると通知されているという。

 つまり、「イラン産原油の輸入を続けたら、ドル決済ができなくなるぞ」というトランプ政権の脅しが功を奏したということだ。そのため、イランとは長い付き合いがあるフランスもギブアップ状態だ。

 出光興産が直接取引をして世界で初めて石油製品を輸入するなど、イランと日本の友好関係は深い。日本の石油元売り各社は「イランとの関係は維持すべきだ」と主張している。しかし、米国に意地悪されると息の根を止められる状態。日本もうまい対抗手段がない。

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