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【親も知らない今どき入試】大規模大学の実就職率ランク、トップは名城大 大手難関大は「就職率より就職先」

 大規模総合大学の就職はどうなっているのか。そこで、今週は大学別実就職率ランク(卒業生3000人以上の大規模大学36校)を紹介したい。実就職率は就職者数÷(卒業生数-大学院進学者数)×100で算出した。

 大手大学でも、就職はいいように思えるが、実就職率はそれほどでもない。卒業生3000人以上の大学の平均実就職率は昨年より1・1ポイントアップしたものの87・5%にとどまる。全体の平均88・6%を下回っているのだ。中規模、小規模の大学と比べても低い。大学生の就職に詳しい専門家は「大規模大学ほど卒業後の選択肢が広くなるのが特徴です。みんなが就職するわけではなく、留学したり、起業したり、進路変更して他学部に進学したり、専門学校へ行ったり、好きな道を目指してフリーターになったりする人も少なくないので、実就職率は高くならないのでしょう」という。その中でトップは名城大の95・6%だった。法、経営、経済、外国語、人間、都市情報、理工、農、薬の9学部がある総合大学だ。2位が東京理科大の95・3%。3位以下は新潟大、関西学院大、名古屋大の順となった。9位に中京大が入り、愛知の大学が3校も入っている。トヨタ自動車を中心に、採用が活発なこともあるようだ。

 高校の進路指導教諭は「大手難関大を目指す受験生の保護者には、就職率より就職先がどこかを気にする人が多いと感じます。特に高い偏差値の大学ともなれば、やはり一流企業への就職者数への関心が高くなります」という。努力して高偏差値の大学に入るのだから、卒業後も大手企業への就職を期待するということだろう。今年はAIの発達により、人気のメガバンクをはじめ銀行の採用が減った。メガバンクの内定を勝ち取った早稲田大の4年生は「採用を減らしていると言っても、一般職を減らしているだけで、総合職はそんなに減っていません。周りでも、売り手市場で有名企業の内定を取った人は多いですよ」という。

 早稲田大の実就職率は25位の86・0%、慶應義塾大は26位の85・8%で平均を下回った。率より中身ということなのだろう。

 ■安田賢治(やすだ・けんじ) 大学通信の情報調査・編集部ゼネラルマネジャー。1956年兵庫県生まれ。灘中高、早稲田大卒業後、大学通信入社。中高・大学受験の案内書・情報誌の編集責任者として大学合格や就職情報を発信。私立学校のコンサルティングにも協力。著書に『中学受験のひみつ』(朝日出版)など。

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