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【高橋洋一 日本の解き方】日銀はなぜ動かないのか? 追加緩和のサイン出ているも…経済の足引っ張る政策逆行 (2/2ページ)

 いずれにしても、前回の1~3月期が9期ぶりにマイナスになったが、それが一時的なものであることが確認されたということだろう。その中身も住宅投資を除く内需拡大によるものなので、悪い内容ではない。

 第2次安倍晋三政権になってからの13年度以降の実質GDP成長率は、2・6%増、0・3%減、1・4%増、1・2%増、1・6%増と、消費増税による落ち込みを除けば、まずまずである。雇用情勢も本コラムで紹介しているように良い。その結果、雇用者報酬も順調に伸びてきている。

 ただ、気がかりなところもある。すべての物価指標とも言えるGDPデフレーターの数字が上がってこないのだ。今期のGDPデフレーターは0・0%減だ。前回の0・2%減よりましとはいえ、まだまだだ。これはインフレ目標に達していないという点と表裏一体であり、政府と日銀は有効需要喚起策をやってもよろしいというサインなのだが、なかなかやらない。

 政府の方は、おそらく秋の臨時国会で、災害対策関係の補正予算を打つだろう。問題なのは日銀である。

 先日の本コラムで、日銀の政策変更にはとても賛成できないと書いた。おそらく、日銀は今回のGDP速報が良い数字になることを見越して、将来の引き締め基調となる政策変更をしたのだろうが、時期尚早だ。

 インフレ目標達成まで十分に余裕があるので、口だけでなく実際にもっと金融緩和すべきである。国民経済を無視し、事実上の金融機関救済策に走った日銀は、マクロ経済の足を引っ張っている。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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