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【室谷克実 新・悪韓論】文政権、破綻した経済路線の固守確認 “権威”守るため…北も南も同じ (2/2ページ)

 そうした統計ではあれ、昨年まではおおむね30万人台を維持していた前年同月比の就業者増加数が、今年7月には5000人にまで下落したことが、19日の日曜日に大統領府・政府・与党緊急会議が開かれた理由だ。

 保守系メディアはここぞとばかり、「所得主導成長」の廃棄を要求した。日和見の中央日報まで「雇用惨事の悲鳴、まだ聞こえないのか」との社説(2018年8月18日)を掲げたが、大統領府には聞こえなかった。何しろ大統領自身、違う立場にある人々の攻撃には「本当に何一つ動じることはない」と述べているのだから。

 彼と、その核心スタッフの脳内は「財閥・大企業=絶対悪」とする意識で固まっている。

 そうした意識からすれば、コンビニの店員が最低賃金の引き上げを理由に解雇されるのは、コンビニ本社が悪いからだ。コンビニ本社に、店主に対する搾取(加盟料)を緩めさせれば、おのずと解決する問題-となる。

 ところが、「絶対悪=財閥・大企業」が依然として力を持っているので、所得主導成長路線が円滑に進んでいかないというわけだ。

 政権の財閥・大企業に対する闘いは、一応、法治国家として法律があるから思うに任せない。が、いつまでも「待ってくれ」では済まない。文氏の権威を守るには、これまでとはレベルが違う統計の改竄の他にないだろう。

 保守系紙が「現実との乖離(かいり)」を指摘したら…無視して動じなければいいのさ。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。著書・共著に『悪韓論』(新潮新書)、『崩韓論』(飛鳥新社)、『韓国リスク』(産経新聞出版)など多数。

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