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【高橋洋一 日本の解き方】紙幣偽造少なく現金を信頼…日本遅れるキャッシュレス化、便利さに慣れれば進むはず (2/2ページ)

 また、現金流通残高とカード決済(クレジットカード、デビットカード、電子マネーによる決済)金額の対名目GDP比率をみると、両者の間には緩やかな負の相関がある。これは、「カード決済のウエートが大きいほど、支払手段として持ち歩く現金は少なくなる」という関係を示すものだといえる。

 日本のカード決済比率は少ない。これは、現金の偽造が少なく、支払い手段としてもカードより現金への信頼が他国より大きいからだろう。

 BIS統計には面白い数字もある。各種カードの1人当たり合計保有枚数を各国・地域別にみると、日本は1人当たり平均で7・7枚も保有しており、これは各国の中で2番目に多い。一方で、カードを通じた決済金額は、諸外国に比べて多いわけではなく、多くの場合、現金決済が主流である。

 個人的なことを言えば、筆者はかなり前からキャッシュレス化を進めている。基本的には小銭は持っておらず、いざというときに備えて紙幣を少し持っているだけだ。通常の買い物では、電子マネーとクレジット・デビットカードで済ませている。

 東京ではこれで困ったことはほとんどないが、地方都市に行くと、タクシーでは現金決済を要求されることも多い。いずれにしても、キャッシュレス化は慣れの問題なので、便利さを味わえば、自ずと進むだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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