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【高橋洋一 日本の解き方】拘束していた邦人解放も、韓国籍6人は人質のまま… 北、韓国に不信感? 米には意図伝わらず (1/2ページ)

 8月11日に北朝鮮で拘束された日本人男性が同28日、日本に帰国した。男性は軍事施設を撮影したとして拘束されていたが、北朝鮮が人道主義の原則に従って国外に追放すると発表していた。

 拘束された男性は、映像関係の仕事に従事しており、ツアーで北朝鮮に入った後、西部の港湾都市、南浦(なんぽ)を訪れた際に軍事施設を撮影したとして、当局に拘束されたようだ。

 朝鮮中央通信は男性について「罪を犯したため、該当する機関に拘束されて取り調べを受けた」としたうえで、「人道主義の原則に基づいて、寛大に許し、国外に追放することにした」と伝えている。

 北朝鮮はこれまで米国や韓国との対話で、人道主義を「外交カード」として利用してきた。朝鮮戦争で戦死した米兵遺骨の返還のほか、5月には拘束した米国人3人を解放し、トランプ政権との対話につなげようとしてきた。

 その半面、約1年半拘束していた学生のオットー・ワームビア氏を昨年6月に昏睡(こんすい)状態のまま帰国させたこともある。ワームビア氏がまもなく死亡したことで米国世論の激しい怒りを買い、テロ支援国家の再指定を招いた。この対応を受けて北朝鮮では、外国人をむやみに拘束し、人質扱いすることが大きなリスクを伴うと教訓を得た可能性もある。

 一方で、8月初めには、不法越境した30代の韓国人男性を「人道主義」に基づいて早々に送還したものの、宣教師や元脱北者らスパイ罪などで拘束された韓国籍の6人の解放には依然応じず、スパイ容疑など体制の脅威になるとみなした事案では、厳しい姿勢を示したままである。

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