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【高橋洋一 日本の解き方】「ブラックアウト」どう防ぐか 再生可能エネでリスク分散 柔軟な原発再稼働も必要だ (2/2ページ)

 一方、原発推進派は「泊原発が再稼働していれば、苫東厚真火力への過度な集中とならずに、そもそも全道のブラックアウトは起こらなかった」と主張する。出力の約半分を占める発電所が落ちればネットワークが落ちるのは当然だが、泊原発が動いていれば1カ所集中にならなかったから、全道を巻き込む停電にならなかった可能性があるという理屈だ。その根拠として、泊原発は震源から離れており、緊急停止基準の加速度にならなかったとしている。

 筆者は市場原理を使った段階的な脱原発論者であり、単純な原発推進論者ではないが、後者の方が説得力があるように思える。いずれにしてもこうした議論は、当事者や政府も入れて、シミュレーションするなど科学的な議論を徹底的に行うほうがいい。秋の臨時国会で、与野党の活発な論戦を期待したい。

 今後の対策となると、第1に、水力を稼働させることのほか、本州との連系線の強化だ。現在の60万キロワットから2019年には90万キロワットに拡大されるが、これをさらにアップすることも考えるべきだ。

 第2に、再生可能エネルギーである。これは、電力ネットワークでの分散リスク回避になる。家庭のみならず、小規模の分散電源はかなり普及している。その場合、分散電源のある小さなネットワークを一時的に切り離すという技術もできつつある。

 第3に、新安全基準による柔軟かつ迅速な審査による原発再稼働である。活断層がないことを証明するという「悪魔の証明」にならないよう、バランスを考えた運用をすべきだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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