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【日本の選択】「『冷や飯覚悟しろ』はパワハラ」信じられない石破氏の発言 総裁選は「政治生命」かけた闘いだ “反自民”にしか浸透しない石破氏のアピール (1/2ページ)

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 耳を疑うような発言だった。自民党総裁選(20日投開票)に立候補している石破茂元幹事長から、にわかには信じられないような言葉が発せられた。総裁選後の人事に関して、石破氏は次のように言い放ったという。

 「『終わったあとは干してやる』とか、『冷や飯を覚悟しろ』などというのはパワハラだ。自民党はそんな政党ではなかったはずだ」

 事実上、「次の総理」を決定する総裁選とは、政治闘争だ。ドイツの政治学者、カール・シュミットが政治の本質と喝破した「友敵関係」が露骨に現れる瞬間である。自分を支持する人間は「友」であり、反対派を支持する人間は「敵」である。美辞麗句が通用しない厳しい闘いの時だ。

 闘争後、演出のために勝者が敗者を厚遇してみせることもあるだろうが、基本的には論功行賞がなされ、敗者は冷遇され、場合によっては葬り去られる。「パワハラ」ではなく、それが政治というものの本質だ。

 こうした闘いの論理は、自民党という組織の問題ではなく、古今東西を問わない普遍的な現象といってよい。振り返ってみれば、過去の自民党で総裁選に挑戦し、冷遇された人物が存在する。

 1999年の総裁選で、続投を目指す小渕恵三首相(総裁)に、加藤紘一元幹事長が挑んだ。このとき、小渕氏は無投票再選を望んでおり、総裁選への出馬を模索していた加藤氏、そして山崎拓元政調会長に圧力をかけた。当事者の一人であった山崎氏は『YKK秘録』(講談社)の中で、小渕氏と加藤氏の応酬を明かしている。

 小渕氏は「総裁選に出るつもりはないよな」とクギを刺したが、加藤氏の出馬への決意は固く、「われわれが立った方が、党の活性化につながる」と応え、出馬を諦めようとはしなかった。小渕氏の説得を拒否し、加藤、山崎両氏が総裁選に出馬し、総裁選が実施された。

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