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【高橋洋一 日本の解き方】菅官房長官vs野田総務相の構図 ふるさと納税の規制強化方針は携帯料金引き下げの意趣返しか (1/2ページ)

 総務省から最近出てきた動きとして、携帯電話料金引き下げとふるさと納税の規制強化がある。2つの動きの背景にはどんな政治力学が働いているのか。

 携帯料金については、菅義偉官房長官が8月21日の講演で「4割程度下げる余地がある」と発言したが、当然のことながら個人的なものではなく、政府の意図だ。同23日には野田聖子総務相が、携帯電話市場の競争促進策などを議論するように情報通信審議会に諮問した。

 なお、総務省の携帯料金担当者は、菅発言を「寝耳に水」と言っていたようだが、担当大臣の野田氏より先に菅氏が総務省の方針を発言するのは、両者の現時点での政治的な力関係を如実に表しているといえる。

 一方、ふるさと納税の規制強化について野田氏は、寄付金に対する自治体の返礼費用の割合が3割を超えたり、返礼品が地場産でなかったりする自治体への寄付を、税優遇の対象から外す方針を表明した。

 ふるさと納税は、2007年、第1次安倍晋三政権の時に、当時の菅総務相の発案で創設された。自分で選んだ自治体に寄付すると、払った住民税の一定割合までを税額控除するというものだ。筆者も官邸にいながら制度創設を手伝った。

 この制度の画期的な点は、税額控除の仕組みと寄付金を合わせているので、事実上、税の使い方を国民が選ぶことができることだ。これは、政府(官僚)が税で徴収して政府(官僚)が配分するのが公正だという官僚の考え方にまったく反している。そのため、ふるさと納税の創設時、官僚は猛反対だったが、当時の菅総務相が政治的に説得して通したものだ。

 こうした経緯をみると、野田氏が、菅氏主導の政策に意趣返しをしているように見えなくもない。

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