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【大前研一 大前研一のニュース時評】トランプ大統領の身勝手な主張「スルーする」のが一番 (1/3ページ)

 国連総会のために訪米する安倍晋三首相に合わせて、日米首脳会談がニューヨークで行われる。これに先立ち、トランプ大統領は「日本はオバマ政権と貿易問題でディール(取引)しなかった。報復を受けないと思っていたからだ。私はそうじゃない。新しい合意に達しなければ、日本は大変なことになる」などと日本の貿易赤字削減についての強硬発言を繰り返している。安倍首相はどう対処すればいいのか。

 トランプ大統領はもともと不動産企業の経営者。その交渉術は極めて単純だ。脅かして安く買いたたき、これを高く売りつけて儲ける。損をしたときには次のディールの利益を税金の損金計上で取り返す。これに尽きる。そのため、あらゆる手段を駆使して交渉相手をたぶらかす。テレビのプロデューサーも長くやっていたので、大衆に向けた見せ方にもたけている。

 NATO(北大西洋条約機構)との交渉でも、「各国が国防費をGDP(国内総生産)の2・5%にするという目標をすぐ達成できないのであれば、自分は独自の道を行くぞ」とNATO脱退をにおわせてから首脳会議に臨み、「とりあえずGDPの2%を払ってくれることになった。アメリカ国民はいままでみたいに大きな負担をしないで済む。私のおかげだ」と自慢している。しかし、NATO加盟国の首脳は、「2024年までの達成が目標となっている。そのころにはトランプはいないだろう」と陰で笑っている。

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