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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】「海がない国」スイスが恐れる津波 (1/2ページ)

 海がない国、スイスで津波の研究が1年前から始まった。ベルン大学と連邦工科大学チューリッヒ校の協力で4年間の研究計画である。

 スイスでは中世以来の石造りの建物が多く残っているのと同じく、ずいぶん昔の地震の歴史も残っている。

 たとえば1356年に同国北部で地震が起きた。この地震のマグニチュード(M)は約7で、バーゼル市を壊滅させた。私はスイスのテレビ局の取材を受けたことがある。他国ではほとんど知られていないが、さすがにバーゼルで地震があったことはよく知っていた。

 そのスイスで1601年9月18日の夜中、M5・9の地震が起きた。この地震は中央スイスで大きな被害を生んだ。それだけではなく、スイスで4番目に大きくて猪苗代湖よりも大きいルツェルン湖で8メートルの津波が起き、少なくとも8人の死者が出た。この地震では、まず湖底が滑りはじめて、湖の周りの山の一部が湖に沈んだと記録されている。

 こういった地震の再来を恐れているのだ。スイスには大きな湖が多くて湖岸に山が迫っているので、湖底に地震が起きたり湖に地滑りが流れ込んだりして津波が起きる可能性は低くはない。

 スイスなどアルプス北端は、中程度の地震危険地帯である。これはアフリカプレートがヨーロッパ大陸が載るユーラシアプレートを押していることによるもので、もっと南のイタリアやギリシャではずっと地震が多い。

 すぐ南のイタリアで地滑りでダムの水があふれ、2000人以上が犠牲になったことがある。

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