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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「爽」》札幌の避難所にいた「“りん”ちゃん」 (1/2ページ)

 先月6日、午前3時過ぎに北海道で地震が起きた直後。都内にいた私は、会社から電話で呼び出され、2時間後の午前5時には現地へ向かうため、羽田空港行きの車に乗っていた。

 停電し、インフラが断たれた札幌市内を取材した。暗くなった繁華街・すすきのや、液状化で陥没した住宅地など。

 地震発生から2日目、市内の避難所に向かった。ある小学校の体育館に設けられた避難所だ。まだ混乱の中で、熊本地震や西日本豪雨災害の避難所で見られた、「段ボールベッド」や「間仕切りカーテン」はない。だだっ広い体育館に、毛布やビニールシートを敷いて人々が生活している。その固いフローリングの上に、3畳くらい毛布を広げた5人家族がいた。20代の両親と、小さい男の子2人と女の子。いや、よく見ると赤ちゃんがもう1人、毛布の中で寝ている。

 父親に話を聞いてみると、「家は揺れでめちゃめちゃになったし、今後も続く余震から子供たちを守らないと」と言った。赤ちゃんは女の子で、生後15日だった。母親が、3畳の毛布の真ん中でおむつを交換していた。

 その避難所には「授乳室」があった。といっても、ステージ脇のカーテンをくぐった用具置き場のようなところ。A4サイズの紙にマジックで「授乳室」と書かれており、「使用中」の札(これも紙)がかかっている。

 母親に赤ちゃんの名前を聞いてみると、「“りん”です」と答えた。私がどんな漢字か尋ねると、父親に向かって「漢字、どうする?」と話しかけた。父親も「どうするか」と返す。水でふやかした非常食のおかゆを、小さい子供たちにスプーンで分け与え、それどころではない様子だった。

 赤ちゃんはまだ名前が決まっていなかった。母親は「昨日役所に出しに行こうと思ったけれど、それどころじゃなくなってしまって」と話した。