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【高橋洋一 日本の解き方】不祥事続いた財務省の「けじめ」なき消費増税、国民感情が許すはずない 増税スキップなら、デフレ完全脱却への切り札に (2/2ページ)

 消費増税を前提とすれば、秋に予定されている今年度の補正予算で大幅な増額がある。いまのところ、補正予算は2段階だ。10月下旬召集の臨時国会に、西日本豪雨など自然災害からの復旧・復興費用、公立小中学校へのクーラー設置などを盛り込んだ第1次補正予算案を提出。年末にかけては本格的な防災対策などを計上する第2次補正予算を編成するようだ。その後、来年度新予算の執行が4月から始まる。

 マクロ的には、消費増税による消費の落ち込みが経済活動を停滞させるが、それを補う有効需要を作れば、落ち込みは軽減できる。その意味では、公共事業は有効な手段である。

 もっとも、消費増税で影響を受ける消費者と、公共事業でメリットを受ける事業者は必ずしも一致しない。公共事業の波及効果や波及範囲が小さいと、そのずれは経済に悪影響を及ぼす可能性がある。

 そこで、政治的に消費増税をスキップすれば、有効需要増だけが残り、デフレ完全脱却への切り札になる。

 それに加えて、財務省のけじめも政治的には必要だろう。文書改竄(かいざん)という公務員としての禁じ手を行ったことに対して、けじめがついていない。これで消費増税することを国民感情が許すはずがない。けじめとして大臣のクビとの意見もあるだろうが、公務員にとっては痛くもかゆくもない。むしろ、国税庁を専門家集団として生かすなら、財務省から切り離して歳入庁とする財務省解体のほうが、財務省官僚に対するけじめになるとともに、国民にとっても有益だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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