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【菊池雅之 最新国防ファイル】日本人の体格に合うよう開発 軽量、高性能の主力銃器「89式小銃」 (1/2ページ)

 「89式小銃」は、戦後初の国産主力小銃となった「64式小銃」の後継として開発された。ともに国内メーカーの豊和工業が製造し、89式小銃は名前の通り1989年に正式化された。

 この年に総入れ替えしたわけではなく、徐々に更新する方法が取られた。2000年ごろから全国の普通科連隊で見られるようになり、後方支援部隊も更新していった。だが、いまだに陸自の一部や、海自・空自では64式小銃が現役だ。

 豊和工業は1965年、「AR-15」という傑作小銃を開発した米アーマーライト社と技術提携する。AR-15は、米軍に正式採用され、「M16」という名で配備された。ベトナム戦争で使用され、後に西側小銃の代表格となる。

 アーマーライト社は続いて、さらに安価な「AR-18」を開発するが、米軍は採用しなかった。銃自体の性能が悪かったわけではない。

 豊和工業は、AR-18のセミオートマチック版「AR-180」をライセンス生産して米国に輸出していた。だが、IRAが北アイルランドで日本生まれの銃でテロを起こし、ライセンス生産は中止となった。ただ、豊和工業は小銃製造のノウハウを培うことはできた。89式小銃の開発に大きな影響を与えた。

 64式小銃と89式小銃の大きな差は口径だ。7・62ミリから5・56ミリへと小さくした。重量は3・5キロと800グラムほど軽い。引き金を引いた際の反動も小さくなり、小柄な日本人の体格に合っている。部品点数も少なく、分解結合が簡単になった。

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