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【大前研一 大前研一のニュース時評】中国「一帯一路」でモルディブに2つの“援助”「このままでは中国に乗っ取られてしまう」 (1/2ページ)

 インド洋の島国モルディブで先月23日、5年に一度の大統領選が行われ、野党連合の統一候補のイブラヒム・モハメド・ソリ氏が、現職のアブドラ・ヤミーン氏を破った。ソリ氏の得票率は58%、ヤミーン氏は42%だった。

 ヤミーン氏は2013年に就任以降、中国政府が提唱する海のシルクロード経済圏構想「一帯一路」に協力し、中国から多額の投融資を受けて大規模なインフラ整備を実施した。だが、汚職疑惑や野党、メディアへの抑圧などで国民の反発を招いていた。

 私が数年前にモルディブに行ったとき、地元の人は「このままではモルディブは中国に乗っ取られてしまう」と心配していた。中国の資金で港湾や空港整備、空港と首都の間の架橋工事など巨大プロジェクトが相次いで実施されたが、中国に資金返済できなかったら、その代償として中国の軍事空港か軍事港湾化してしまうのではないかと懸念していたのだ。

 東アフリカのジブチの場合、中国への債務はGDP(国内総生産)の80%に及んでいる。そしてモルディブも30%に届こうという金額に膨れ上がっている。

 実際、中国の援助はモルディブの将来の発展を思ってやっているわけではない。モルディブはインドとスリランカの南西に位置し、一帯一路の海上ルートの非常に重要な拠点になっている。スリランカのハンバントタ港やパキスタンのグワダール港などとともに中国のシーレーン戦略「真珠の首飾り」の要衝にあたるのだ。

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