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ICPO総裁・孟宏偉氏の拘束にトランプ政権が重大関心 河添恵子氏緊急寄稿 (3/3ページ)

 チベットを支援する2団体とスペイン国籍を持つ僧侶が2006年、江元国家主席や李鵬元首相ら5人について、「在任中にチベットでのジェノサイド(大量虐殺)に関与した」として告発した。スペインの裁判所が13年11月、5人への逮捕状を出すとの決定を下し、翌年2月、江氏ら共産党幹部5人について、インターポールに国際手配を要請した。無論、中国政府は強く反発し、取り下げを要求している。

 そして、中国公安部副部長(次長)の孟氏が16年11月、とうとう、インターポール総裁のイスを仕留めることになった。だが、習一派にとっては、孟氏はすでに敵対関係にある江沢民派の周永康元政治局常務委員(無期懲役)の手下だった。

 しかも、インターポールは世界的な捜査協力、特にテロリスト、資金洗浄、国際犯罪組織、麻薬武器密輸の取り締まりを目的に組織されている。とすると、敵対勢力の中国人総裁に、習政権の恥部すら握られて、政権をさらに危ういものにしてしまうとの危惧もあったはずだ。

 「偉大なる中華民族の復興」を掲げ、世界の中枢に躍り出たつもりの習政権だが、「狂気にも似た死闘」を世界にさらしていくだけのようだ。

 ■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした』(産経新聞出版)、『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)、『中国・中国人の品性』(ワック)など。

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