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【ここがヘンだよ!日本】立憲民主党の「脱原発」…選挙狙いの“リップサービス”か (2/2ページ)

 専門的な論点が多いが、分かりやすい話として、原発1基の廃炉には数十年の工期と1000億円程度の費用がかかるとされる。そうなると、54基の原発の廃炉費用は、おおむね5・4兆円の費用がかかることになる。この資金はどこから捻出され、廃炉は誰がやるのだろうか?

 また、わが国は現在46・9トンのプルトニウムを保有している。脱原発となると、この使用予定がなくなり、北朝鮮やイランを非難できる立場ではなくなってしまう。

 こうなると数万年単位で地中に埋めなければならなくなる。このプルトニウムは、どの県のどこに埋めて、どのように管理し、そのために必要となるであろう数兆円の費用は、これまたどこから捻出するのだろうか?

 これは1万4000トンを超える使用済み核燃料についても同様である。

 さらに、付随する論点として、在庫計上している使用済み核燃料の価値がなくなり、巨額の損失が生じることに伴う大手電力会社の経営危機を、どう処理するかも考えていかなければならない。

 もし、立憲民主党が本気で脱原発を考えるなら、こうした論点について具体的な検討を進めなければならない。残念ながら、そのような動きは見られない。

 立憲民主党がこのまま、「口だけの脱原発」を唱え続けるならば、それは「選挙狙いのリップサービス」とのそしりは免れないだろう。

 ■宇佐美典也(うさみ・のりや) 1981年、東京都生まれ。東大経卒、経産省入省。企業立地促進政策、農商工連携政策、技術関連法制の見直しを担当後、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)で電機・IT分野の国家プロジェクトの立案やマネジメントを行う。2012年9月に経産省を退職。現在、政策コンサルタントとして活躍する。著書・共著に『朝日新聞がなくなる日-“反権力ごっこ”とフェイクニュース』(ワニブックス)、『逃げられない世代-日本型「先送り」システムの限界』(新潮新書)など。

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