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【高橋洋一 日本の解き方】財務省の「パワー」の源泉は税務権力 政権・政治家は怯え…メディアや財界も事を荒立てず (1/2ページ)

 消費増税をめぐって、財務省は政権やメディアなどにどうやって力を及ぼしているのか。政権は財務省の意向をはね返すことはできないのか。

 テレビなどで筆者が財務省のパワーについて話をすると、「政治家が情けないからだ」と言われることが多い。形式的には正論であるが、その実態をあまり知らないのだろう。

 財務省OBの筆者は、財務省のパワーの源は税務権力だと考えている。税務権力は軍事力、警察権力と並んで、国家権力の典型である。こうした国家権力はいうまでもなく強力で、政治学や社会学では軍事力や警察権力はしばしば「暴力装置」と呼ばれる。学問の世界では税務権力は暴力装置から外されることが多いが、筆者は含まれていると考える。

 一般的に、政治家、官僚、一般人の間では「じゃんけんの関係」が成り立つといわれる。一般人は選挙があるので政治家に強く、政治家は官僚の上に立つので官僚に強く、官僚は許認可の実務を行うので一般人に強いという「三すくみ」の関係になっているという説明だ。

 しかし、財務省はじゃんけんの例外だ。というのは、外局の国税庁を事実上、支配下に置いているからだ。同庁の国税権力を背景とすれば、政治家を脅すことも可能になる。

 筆者の例であるが、若いときに地方の税務署長をしていた。そのとき、選挙を控えた政治家に税金の督促状が筆者名で出された。この督促状は自動発信だったことを筆者は全く知らなかった。

 ところが、その政治家からいきなり筆者のところに電話があり、すぐ金を持っていくというのだ。筆者は事実を知らなかったし、リークするつもりもなかったが、政治家はかなり狼狽(ろうばい)していた。これでわかるように、税務権力は政治家を脅せるのだ。

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