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ノーベル賞受賞で期待も…「オプジーボ」“便乗商法”に要警戒 専門家が警鐘 (1/2ページ)

 ノーベル医学生理学賞に決まった本庶佑(ほんじょ・たすく)・京都大特別教授が開発に貢献したがん治療薬「オプジーボ」に患者らの期待が膨らんでいる。免疫のブレーキを外すという新しい手法で、がん治療を進展させた薬だが、現状で効果が期待できる患者は一握り。決して「万能の薬」ではない。その上、ノーベル賞に“便乗”する形で別の免疫療法を宣伝するクリニックもあり、専門家らは「不確かな情報に惑わされないで」と警鐘を鳴らす。

 ■7種類のがん

 「あの薬を使いたい。どうすればいいか」

 本庶さんの受賞が大きく報じられた10月1日以降、がん専門病院や薬を製造販売する小野薬品工業には、患者からそうした問い合わせが相次いだ。国立がん研究センター中央病院(東京)の電話相談窓口では、寄せられる30~40件の相談の8割がオプジーボ関連という日が続いたという。

 本庶さんらは、免疫の働きを抑えるブレーキ役のタンパク質「PD1」を発見した。そのブレーキを解除し、免疫細胞にがんを攻撃させることを狙うのがオプジーボ。「免疫チェックポイント阻害剤」と呼ばれる薬だ。

 それ以前にも多くの免疫療法が試みられたが、臨床試験(治験)で安全性と有効性が確認され、保険適用が実現したのはオプジーボが初めて。

 現在、オプジーボが使える病気として厚生労働省が承認し保険も適用されるのは、悪性黒色腫(皮膚がんの一種)、非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、胃がん、悪性胸膜中皮腫の計7種類。いずれも手術不能ながんで、悪性黒色腫以外では、従来の抗がん剤が効かなくなった場合のみ使用を認めるなど、厳しい条件が付いている。

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