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ノーベル賞受賞で期待も…「オプジーボ」“便乗商法”に要警戒 専門家が警鐘 (2/2ページ)

 ■ギャップあり

 実際の効果はどの程度なのか。国立がん研究センター中央病院の朴成和副院長によると、進行した胃がん患者493人を対象にした試験では、偽薬を与えたグループの1年後の生存率が11%だったのに対し、オプジーボを使ったグループは26%と差がついた。

 「この数字をどう見るかは人による。だが治療現場にいるわれわれにとって、この差はとても大きい」と朴さん。

 だが使った人全員に効くわけではない。小野薬品によると、効果がある患者は全体の2~3割程度。「万人に効く夢の薬ではない。実態と期待にギャップがある」と朴さんは過剰な期待を戒める。

 ■特有の副作用

 副作用にも注意が必要だ。1型糖尿病など免疫が自分の体を攻撃することで起きる、従来の抗がん剤にはない副作用が報告されており、死亡例もある。抗がん剤に詳しい医師は「通常は薬をやめれば副作用も改善するが、オプジーボは中断しても消えない傾向がある。早急な対策が課題だ」と強調する。

 ネット上には、免疫細胞を体外で増やして体に戻す方法など、独自のがん免疫療法をノーベル賞に絡めて宣伝する民間クリニックも出た。がん薬物療法が専門の勝俣範之・日本医大武蔵小杉病院教授は「保険適用された免疫療法は厳密な審査を通っているが、ほかは効果も安全性も証明されていない」と慎重な確認を呼び掛ける。

 国立がん研究センターは「よく分からないとき、困ったときは、全国のがん診療連携拠点病院などにある『がん相談支援センター』も助けになる」と指摘。インターネットの「がん情報サービス」で検索できるためチェックするのも手だ。

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