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【高橋洋一 日本の解き方】何のために金融政策をやるのか理解してない?日銀前総裁・白川氏の致命的な欠陥 こんな人が中央銀行総裁だったとは… (1/2ページ)

 白川方明(まさあき)日銀前総裁が最近出した著書や、5年半ぶりの公の場となる記者会見での発言が話題になっている。これらから、白川氏が日銀総裁としてふさわしかったのか。中央銀行の総裁はどんな人物がなるべきかを考えよう。

 白川氏の著作や発言から、疑問が浮かぶのは、何のために金融政策をやっているのか、本人もきちんと理解していないという致命的な欠陥である。

 本コラムで何度も指摘しているように、金融政策は雇用政策であるが、それを白川氏は全く理解していないようだ。実際、白川氏の著作や発言にも雇用の話はまず出てこない。著作では「インフレ目標2%の意味がわからない」と書かれている。ある意味で正直だとはいえるが、そういう人が中央銀行総裁だったとは空恐ろしいことだ。

 インフレ目標2%の理由は、最低の失業率を目指しても、ある下限(経済学ではNAIRU、インフレを加速しない失業率という)以下にはならずに、インフレ率ばかり高くなってしまう。そうした下限の失業率(日本では2%台半ばから前半)を達成するための最小のインフレ率が2%程度になっているためだ。

 この意味で、インフレ目標は、中央銀行が失業率を下げるための金融緩和をしすぎないような歯止めであり、逆にいえば、インフレ目標までは金融緩和が容認されるともいえる。このような基本中の基本がわからないで日銀総裁をやったためか、その成果は散々だった。

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