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【高橋洋一 日本の解き方】「徴用工」判決にはこう対処せよ! 個人請求権の対象は韓国政府、手順を踏んで毅然たる措置を (1/2ページ)

 いわゆる「徴用工」判決が韓国最高裁で出た。今後も日本企業に対する判決が予定されているが、日本政府はどのような手順を踏んで対応すればよいのだろうか。

 まず確認しておくべきなのは、今回の原告は「徴用工」ではないということだ。国家総動員法に基づく朝鮮半島での戦時労働動員については、(1)1939~41年は民間企業による「募集」(2)42~44年9月は、朝鮮総督府による「官斡旋(あっせん)」(3)44年9月~45年3月は国民徴収令による「徴用」となっている。韓国最高裁の事例は(1)のもので、「募集」に応じたのであり「徴用」ではないというのが日本政府の見解だ。

 いわゆる「徴用工」判決に対し、「日本は経済援助をして、その見返りに韓国は請求しないと約束し、日本は韓国に残した資産を放棄した」という素朴な説明がネットなどに多い。だから断交だと勇ましい主張をする気持ちもわからなくはないが、もう少し緻密でないと、最終的に国際社会での議論に負ける恐れもあるので要注意だ。

 65年の日韓請求権・経済協力協定では、1条に日本から韓国への経済協力が書かれ、2条で「日韓両国とその国民の財産、権利及び利益並びに請求権に関する問題が、完全かつ最終的に解決されたことを確認する」と書かれている。

 ここで問題なのは、個人の請求権がどこまでかだ。実は、日本政府も個人の請求権が消滅したとは主張していない。これは過去の国会答弁で明らかである。韓国最高裁は、その点をついて、不法行為に関する個人の請求権は、日韓請求権・経済協力協定の範囲に含まれていないとしているようだ。

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