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【高橋洋一 日本の解き方】「携帯料金値下げは日銀に逆風」報道に異議あり デフレの本質分かっているのか (1/2ページ)

 菅義偉官房長官の発言がきっかけとなり、携帯電話料金の引き下げが実現化しつつある。

 ことの発端は、9月の自民党総裁選だ。野田聖子・前総務相が立候補を模索していたが、できなくなった。その間、本来の総務省の仕事である携帯電話料金問題が遅々として進んでいなかった。

 そこで、菅官房長官は、自らの講演において「日本の携帯電話料金が海外と比べて4割程度高すぎる」とぶち上げたのだ。驚いた野田氏は急遽(きゅうきょ)、総務省審議会に検討を答申した。それから携帯電話料金の引き下げの動きが本格化したという流れだ。

 ドコモは、菅氏の講演で言及されたのと同じ4割程度の料金引き下げを表明した。その内容はまだ明らかではないが消費者としては関心を持っておこう。

 いまの携帯電話市場は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの寡占状態だ。格安携帯も出てきたが、大手3社の地盤は強固だ。楽天も参入を表明しており、競争してくれれば消費者にとっては好ましいので、期待したいところだ。

 ただし、マスコミによっては、料金引き下げと消費者物価指数への影響を懸念する報道が出ている。ある新聞は、民間試算で通信大手3社がそろって現行より2~4割値下げした場合、消費者物価指数(CPI)総合の押し下げ効果は0・52~0・85%になると報じた。政府と日銀が掲げる2%の物価目標達成には逆風になりそうだとしている。

 まず、この報道は、個別価格と一般物価の違いを分かっていない。携帯電話料金は、ミクロ経済の個別価格だ。しかし、物価目標のCPIはすべての財の平均的な個別価格であるマクロ経済の一般物価である。個別価格が下落すると、そのまま一般物価が下落すると思い込んでいるが、間違いだ。

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