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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】ルーマニアにしか起きない深発地震の被害 (1/2ページ)

 10月末にルーマニアで深発地震が起きた。地震は遠くウクライナやブルガリアでも感じられた。幸いマグニチュード(M)は5・7と小さかったので、被害は壁が落ちたくらいで限られていた。しかし、皆が1977年に起きたルーマニア大地震(M7・2)のことを思い出して背筋に冷たいものが走った。

 当時は独裁者チャウシェスク大統領の時代だったから、被害の大きさは国家機密だった。死者1700人と報じられたが、じつは多くのビルが倒れて6000人以上が亡くなった大被害だった。

 これらの震源の深さは約100キロ以上もあった。不思議なことに、これらの地震の被害は震源の上ではなくて、100キロ以上離れた首都ブカレストに集中していた。震源からブカレストまで伸びているプレートに沿って、強い地震波が上がってきたものだと思われている。

 一般的には地震がないヨーロッパだが、南ヨーロッパにだけは地震が起きる。ルーマニアにはアルプスの曲がった尻尾がある。ヨーロッパを押してきているアフリカプレートがルーマニアの地下まで入っているからだ。このため、ルーマニアでは地下でプレートが地球の中に入りこんでいる深いところで地震が起きる。

 世界では浅い地震が起きなくて、この種の深発地震だけが地震を起こしているところがルーマニアのほかに2カ所ある。インドの北西にあって7000メートル級の高山が連なっているヒンズークシュと南米コロンビアの北部にあるブカラマンガ地域だ。

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