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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「晩」》芸術の特別な才能に触れる秋 (2/2ページ)

 渡邊さんの口癖は「見てください」。仁子さんや周りの人を喜ばせようと年々腕を上げ、仁子さんは折り葉を撮影して年賀状にした。最初の作品は、今も大切に保管しているという。

 渡邊さんら9人が出展する展覧会「小さなパリ展-アール・ブリュットジャポネIIの作家たち」が17日から25日まで東京都の八王子市学園都市センターで開かれている。渡邊さんは23、24の両日午後1時から、来場者とともに落ち葉や紙を使って動物をつくるワークショップを行う。

 アール・ブリュットとは、「(加工されていない)生(き)のままの芸術」という意味のフランス語。美術大学など正規の美術教育を受けていない人たちが独自のやり方で表現する作品を指し、障害者のアートも含まれる。9人は現在フランスで開催中の「アール・ブリュットジャポネII」に出展した作家たちだ。

 阿山隆之さんの木材に焼きペンで描いた輪郭線に鮮やかに彩色された生き物。無数のトゲを持つ立体を粘土で生み出した澤田真一さん。作品を見ると障害の有無を超えて、芸術の特別な才能を与えられた人たちなのだなとつくづく思う。

 名プロデューサーの母親のもとで類いまれな才能を開花させた渡邊さんに比べ、私たち凡人の親子にできるのは拾ったドングリを箱に詰めるくらい。せめてこの秋、予想もまねもできない方法で表現された生のままの芸術に触れてみようと思う。(ゆ)

 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。11月のお題は「晩」です。