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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「晩」》谷垣氏に見る去り際の美学 (1/2ページ)

 自民党の谷垣禎一前幹事長が10月末、安倍晋三首相と官邸で会談し、約2年3カ月ぶりに公の場に姿を見せた。電動車いすでの移動で、ほおが少しこけたようにも見えるが、記者団への受け答えは事故前とほとんど変わらない。ゆっくりとした分かりやすい話し方で、ときおり顔をほころばせてみせた。その表情は晴れやかに見受けられた。

 その際、語った言葉が、いかにも谷垣氏らしい。「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」。政界引退前から時々引用していた、マッカーサー元帥の名言だ。11月に入り、二階俊博幹事長と党本部で会談した際もそうだった。党内には来年夏の参院選での政界復帰を期待する声もあるが、この言葉で自ら否定した格好だ。

 谷垣氏は、政界を引退した後もメディアで積極的に発言し、時には政局へも影響を与えるOBたちを快く思っていなかった。「老兵は死なず~」はもともと、こうしたOBたちに少し控えてもらいたいという思いを込めて引用していた。首相経験者ら知名度の高いOBの言葉は、後輩議員もメディアもなかなか無視はできないからだ。

 与野党が激しく対立するいわゆる「対決法案」や、世論を二分するようなセンシティブな問題に対し、現役の議員たちは自らの政治生命をかけて対応していく。しかしOBの中には、落選の心配がない“安全地帯”にいるのをいいことに、ときに言いたいことを言いつのって政界をかき回す人がいる。議員バッジのない人がその責任をどうとるのか、というわけだ。