記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】財務省批判は“陰謀論”なのか? 議論を封じ、筆者の「人格破壊」が狙い データや理論で検証可能だ (2/2ページ)

 筆者は当時の上司に「ファイナンス論によれば、政府のバランスシート(日本の財政)はそれほど悪くない」と伝え、「もし借金を返済する必要があるというのであれば、まずは資産を売却すればいい」と言ったら、「それでは天下りができなくなってしまう。資産を温存したうえで増税で借金を返す理論武装をしろ」と言われたという体験談を明かしたこともある。

 ちなみに、日銀を含めた連結ベース、つまりいわゆる統合政府のバランスシートに着目するのは、その純資産額が政府の破綻確率に密接に関係するからだ。これはファイナンス論のイロハのイである。本コラムでも紹介したが、国際通貨基金(IMF)も、統合政府の純資産に着目している。

 純資産額の対国内総生産(GDP)比率は、その国のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)レートと大いに関連するが、それは破綻確率に直結する。日本の破綻確率は今後5年以内で1%にも満たない。

 確率5%以内は、多くの人には認識できないほど低いので、日本の財政の破綻確率は、無視しても差しつかえないほどである。

 冒頭にあるように、筆者が財務省陰謀論を主張しているという批判は、このようにデータと確率に基づいて実証的に述べていることに言及したものではないはずだ。そもそも「陰謀論」という人は数量的な議論が全くできないので、筆者の議論や反論を封じるためだろう。

 陰謀論は検証可能な話ではないが、筆者の政府の財政に関する論証は検証可能である。陰謀論と揶揄するのではなく、データや理論で反論してもらいたいものだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

関連ニュース