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米中貿易戦争 関税先送りで“一時休戦”も長期化へ 専門家「交渉、まとまるはずがない」

 ドナルド・トランプ米大統領と、中国の習近平国家主席は1日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで行われた首脳会談で、貿易戦争を「一時休戦」することで一致した。だが、米国が事態打開のために残した猶予期間は「90日」しかない。その間に交渉が妥結できなければ、米国は中国への追加関税を発動する。専門家は「貿易戦争の長期化は避けられない」と分析している。

 トランプ氏が来年元旦以降に発動を予告していた対中制裁関税の25%への引き上げ。2時間半の会談で、米国はいったん矛を収めた。

 中国が、米国産の農産物などの輸入を拡大して、米国との貿易不均衡の是正を図り、貿易面での対立を激化させないように歩み寄ったのだ。

 米国は猶予期間中、中国による知的財産権の侵害や、外国企業への技術移転強要、サイバー攻撃などの改善策について、中国側と集中的に協議を続けるという。

 トランプ氏は会談後、「米中双方に無限の可能性をもたらす生産的な会談になった」と評価するコメントを発表した。

 交渉決裂で、世界経済に大打撃を与えることは回避されたが、90日で満足できる合意ができなければ、追加関税は発動される。

 評論家の八幡和郎氏は「米中でいくら交渉しても、中国には譲歩の限界があり、簡単にまとまるはずがない」といい、続けた。

 「トランプ政権としては差し当たって大型選挙があるわけではなく、90日間の猶予は妥当な線だ。とりあえず、『中国よ、巨額の買い物をしてくれてありがとう』といった程度では。今後も、米国が知的財産権などで常に強気に出て、中国が譲歩を迫られる構図が変わることはない。貿易戦争は長期化する」

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