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【高橋洋一 日本の解き方】IMF「40年でGDP25%減」は本当か 技術進歩考慮せぬ試算、設備投資できる環境も重要 (1/2ページ)

 国際通貨基金(IMF)は日本経済に関する年次報告書で、人口減少により、現状の政策では今後40年で実質国内総生産(GDP)が25%超減少すると分析した。

 現在の日本の人口は1億2645万人だ。今の人口推計によれば、2060年には8674万人になると予想され、31%減少になる。GDPは大ざっぱにいえば、1人当たりの給料に相当する1人当たりGDPに人口をかけ算する、つまり給料の人口分の総和になるので、人口減少になれば、GDPが減少するのは当然である。

 ただ、40年間で25%減少というのは、年率では0・7%の減少だ。その程度なら技術進歩などでカバーできる範囲である。

 実質GDP成長率は、成長会計によって、技術進歩率、資本増加率と労働投入増加率で説明できる。人口減少は労働投入量の減少になり、その成長率の寄与は、労働投入量に労働分配率をかけたものになるので、0・5%程度の減少になるだろう。

 これを技術進歩率と資本増加率でカバーし、実質GDP成長率をマイナスからプラスの0・5%程度に持っていくのはそれほど難しい政策ではない。その場合、40年後の実質GDPは20%程度増加することになる。

 ここで鍵になるのは、資本増加と技術進歩であるが、基礎研究で技術進歩の土台をつくるとともに、金融緩和によって設備投資ができる環境が重要となる。どんなに優れた技術でも、設備投資がないと現実社会に生きてこないからだ。

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