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【高橋洋一 日本の解き方】産業革新投資機構を廃止せよ! 最もやってはいけない「『官』が関与する株式投資」 (1/2ページ)

 9人の民間出身取締役が辞任という事態となった官民ファンドの産業革新投資機構だが、結局どこに問題があったのか。

 筆者は30年以上前に、通商産業省(現・経済産業省)の行う「産業政策」は意味がないという内容の学術論文を書いている。官僚に産業の動向等を見通せるはずがないので、産業育成なんて無理だというものだ。

 そもそも政府ができないことの典型例として株式投資がある。官僚は市場に関することに疎く、自身の判断で株式投資できないことは明らかなので、民間から専門家を官に持ってきて、官の組織で投資をしようと考える。これが官民ファンドである。

 しかし、民主主義プロセスでは、投資が失敗した時の責任の取り方について、国民が納得する方法はまずない。このため、国がかなりの程度関与せざるを得なくなる。となると、民間から来た人は不自由になって力が発揮できなくなり、結局失敗することになる。

 こうした筆者の考え方からいえば、産業育成をするために株式投資を行うという機構は、最もやってはいけないことをやっていたことになる。

 それは、機構の田中正明社長の記者会見からも分かる。問題となっている役員報酬について田中社長は、経産省官房長から文書で示されたものを取締役会で決議したと記者会見で述べた。しかし、その後、文書で示されたものが白紙撤回されたので、政府との信頼関係がなくなったという。このプロセスについて、「日本は法治国家なのか」と疑問視している。

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