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【高橋洋一 日本の解き方】「ファーウェイ事件」と中国リスク 日本企業や旅行者に“報復”懸念 経済と安全保障の両面意識を (2/2ページ)

 そこまで心配すると、日本人は中国へ行かないほうが安全となる。

 もともと中国は、経済分野では一見、資本主義のように振る舞うが、政治体制は一党独裁の社会主義国なので、自由主義国とは違ったカントリーリスクがある。先進自由主義国では、政府の行動とは別に司法の独立は確保されているが、中国では全く期待できないことを留意すべきだ。

 もっとも、今回の事件で中国のカナダへの対応を見ると、人的拘束には人的拘束であり、目には目を、つまり相互主義のような感じだ。もし中国が日本へ報復するならば、まずは経済取引への報復があり得るのだろう。

 ただし尖閣事件の時のレアアースの輸出制限は、かえって中国の首を締めたので、今回はそうした措置ではないかもしれない。中国へ進出している企業を締め上げるほうが、手っ取り早く中国の思惑を達成できるだろう。

 中国との関係について、日本企業や日本人は、経済活動ばかりを意識して、安全保障の観点をあまりに考えてこなかった。ファーウェイが米議会で問題とされたのは2012年頃からだ。それから、徐々に問題意識が出てきて、トランプ政権で本格化したが、これは一過性のものではなく、今後も続くだろう。というのは、米議会では共和党も民主党も超党派で推しているからだ。

 これからは、日本も経済一辺倒ではなく安全保障とのバランスも考えざるを得なくなった時代になるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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