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【高橋洋一 日本の解き方】自動車の「走行距離課税」検討も 日本の負担の大きさ放置なら、地方在住者には“酷税”続く (2/2ページ)

 諸外国の自動車課税の最近の動向をみると、(1)燃費の悪い乗用車に重課、燃費の良い乗用車に軽課(2)道路損傷が大きい車両に重課(3)道路利用量に応じて負担を求める対距離課金制度(4)地方が独自の税を設定-という流れがある。

 「走行距離で課税」という考え方自体は、諸外国の方向と同じだ。米国では一部の州が重量距離税を導入しており、車両の総重量と走行距離に応じて課金している。欧州ではドイツが大型車対距離課金を実施しており、フランスも同様の仕組みを導入する予定である。

 ただし、自動車課税負担について諸外国と比較すると、日本の負担が大きい。日本はドイツとフランスの約1・9倍、英国の約1・4倍、米国の約5倍に相当する。

 日本の負担が大きいことを放置したまま、「走行距離課税」を導入したら、自動車しか交通手段のない地方にとっては死活問題になってしまう。今ですら、自動車課税は地方の人にとっては「酷税」であるが、「走行距離課税」としても、地方の人が不利であることに変わりはない。

 自動車課税は、都市部で自動車を持たずに公共交通機関を使える人にとっては有利だ。都会の人には自動車はぜいたく品にみえるが、地方の人にとっては生活の足であり必需品だ。都会と地方では自動車に対する考え方が正反対になっている。

 しかも、日本は自動車課税について地方税のウエートが低い。消費税などの一部を地方に移転することが予定されているが、せめて、国税とするのではなく、地方の実情に応じて税率を決められる地方税を原則としたほうがいい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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