記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】郵政不振の理由は「再国有化」 官民ファンドとよく似た構図 打開策は「再民営化」しかない (2/2ページ)

 稼いでいると思われていた郵貯・簡保も実はジリ貧だった。これらの金融事業の調達コストは国債金利並みで、運用利回りも国の事業なので安全第一となり国債金利並みだ。これでは長期的な利ざやが稼げない。

 郵政全体では、従業員25万人の人件費も物件費も捻出できない状況だった。赤字額は1人あたり400万円として年間1兆円になるので、十数年も持たずに郵政3事業ともに破綻の危機に直面していた。これは国会でも説明されている。

 「民営化」では、郵便ではビル賃貸などの他事業を行い、郵貯・簡保では国の事業という枠を取り払い、運用利回りを向上させる狙いだった。ところが、民主党の「再国営化」により、郵貯・簡保の運用利回り向上の道は、ほぼ絶たれてしまった。

 郵便のビル賃貸などの他事業進出も遅々として進まない。東京駅前と名古屋駅前のJPタワーは完成し、必死に郵便の屋台骨を支えているが、大阪駅前はまったく手つかずだ。

 何より、「再国有化」により、民間から来ていた経営陣がほとんど追い出された。なにやら、今話題になっている官民ファンドに似た状況だ。

 新たに日本郵政に来ようとする民間人は、また政権次第で追い出されるのかと二の足を踏む。すると、形ばかりの民間人がきても、元官僚が実質的な経営を担うようになる。これが「再国有化」の厳しい現実だ。

 元官僚は、表向きは「民間人」であっても、やはり商売はうまくない。ビジネスができないから官僚になったという人ばかりで、日本郵政は「武士の商法」になっている。それが苦悩している原因である。

 これを打破するには、再び「民営化」して、本格的な民間人経営者にきてもらうしかない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

関連ニュース