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【高橋洋一 日本の解き方】3月まで円高進みやすい理由 増税正式決定まで動かぬ日銀…財務省に為替介入の勇気なし (1/2ページ)

 外国為替市場で3日に一時、1ドル=104円台まで急速に円高ドル安が進む場面があった。世界的な株安の局面だったが、なぜ円高になったのか。

 為替の動きは、短期的にはランダムで予測不能だが、中期的には2国間の実質金利差の動向で、長期的には2国間のマネーの比率の動向で決まっているようだ。

 2国間の実質金利差とマネーの比率は、長い目で見れば、整合的である。例えば、日本で金融緩和、米国で金融引き締め傾向であれば、円安傾向になるという具合だ。

 3日の動きはひどいものだった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が4日、「金融政策も柔軟に見直す用意がある」と利上げの一時停止を示唆したが、発言内容を投資家は先取りしたかのようだった。

 米国が利上げしない一方、日本はあまり金融緩和しないというシナリオなら、中期的には日米の実質金利差が縮小する可能性が出てくるので、円高ドル安の方向に思いっきり振れたのだろう。

 こうした先読みの場合、足下の金利の動向は関係がない。足下では様々な需給関係によって動く。日本の金利は低下傾向だが、米国金利はそれ以上に下がっている。名目金利でも日本の金利の方が相対的に「高く」なっている。日本の金利だけ見ていると、とんでもない誤りをしてしまう。

 本来であれば、日本はまだインフレ目標に達していないので、もっと金融緩和すべきである。しかし、そうしないことを市場から見透かされている。その一方、4日のパウエル氏の発言にあるように、米国の利上げ(金融引き締め)は遠のきつつある。こうなってくると、日銀が本気を出す前に、円高アタックは何度でもあるだろう。

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