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【高橋洋一 日本の解き方】北方領土交渉はどこまで進むか 日本はようやくスタートライン、将来につながれば十分な成果 (1/2ページ)

 北方領土をめぐり、日本とロシアは現状で、それぞれどのような思惑を持っているのか。そして今後の交渉で、どんな展開が予想されるだろうか。

 安倍晋三首相とプーチン大統領は、平和条約が締結されていない異常な戦後を自分たちで終わらせるとしている。しかし、日本としては「北方領土問題を解決して日露の国境を画定したうえで、平和条約を結ぶ」という方針だが、ロシアは「条件なしで平和条約を結ぶ」と、その中身は両国で大きく異なっている。

 北方領土については、日本は択捉、国後、歯舞、色丹の4島返還、ロシアは返還なし(ゼロ島返還)が基本的立ち位置だ。

 1956年の日ソ共同宣言では、条約締結後にソ連は日本へ歯舞と色丹を引き渡すというもので、ここで2島返還が出てくる。択捉、国後は、日本が放棄した千島の一部というわけだ。

 率直にいえば、日ソ共同宣言以降、安倍政権になるまでほとんど交渉という名に値するものは行われていない。となると、これまでの63年の時間を考えると、ロシアは何もしないで、現状を固定化するのがベストシナリオだ。

 しかし、安倍・プーチン両氏の間で実質的な交渉をすることになっているので、プーチン氏の下のラブロフ外相は防戦のために、いろいろな発言を繰り返している。

 「北方領土はすべてロシアの主権だと認めよ」として、日本側が使う「北方領土」という言葉にすら反発している。「国連憲章は第二次大戦の結果は覆せないと定めている」と主張し、日本の主張は「国連憲章違反だ」とも非難している。日ソ共同宣言後、ソ連が日本の国連加盟を容認したという経緯を踏まえて、そのときの条件だったはずだという論法である。

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