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【高橋洋一 日本の解き方】ルノー・日産問題に中国の影 仏大統領の呼びかけをスルー、官邸の本音は技術流出の阻止 (1/2ページ)

 日産自動車をめぐり、フランス政府がルノーとの経営統合を要求していると報じられた。

 日産前会長のカルロス・ゴーン被告の事件は、会社法の特別背任容疑と有価証券報告書の虚偽記載容疑によるものだ。

 事件の背景には、いろいろな力学があるように筆者には思える。ゴーン被告の強欲さという前提のうえで、(1)社内対立(2)経済産業省の意向(3)官邸の対中国政策の一環-の複合的結果ではないかとみている。

 (1)の「社内対立」については、事件が内部通報、つまりたれ込みから発覚したことから間違いないだろう。

 ゴーン被告は仏ルノーのトップも兼務していた。ルノーはもともと、仏政府が筆頭株主になっている国有企業だ。現大統領のマクロン氏は、経済・産業相当時に、仏政府とルノーの距離を縮めた功績がある。

 そうしたなか、ゴーン被告は当初、仏政府と距離を置いていたが、最近はかなり近くなっていたとされる。この情報は当然、日産社内でもよく知られていただろう。反ゴーン派は、日本政府のサポートを得たいと考えてもおかしくない。

 そこで、(2)の「経産省の意向」が出てくる。日産は昨年6月に社外取締役として経産官僚OBを入れた。実はゴーン体制以前の日産は経産官僚の天下り先として知られていた。それが絶えて久しかったが、復活したというわけだ。これで、今回の情報が官邸に流れ、いざというときの保険として日本政府が出てくる用意が整った。

 その次は、(3)「官邸の対中国政策の一環」だ。米トランプ政権と仏マクロン政権はうまくいっていない。米トランプ政権にとって、対中貿易戦争とは建前で、対中国の技術流出防止というのが本音だ。そこにルノーの対中技術協力の話が進行している。ルノーの配下には、日本の日産と三菱自動車がいる。特に、日本の電気自動車関連の技術は軍事転用可能なので、米国も神経質になっている。

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