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【大前研一 大前研一のニュース時評】「一人っ子政策」影響で中国は女性支配の社会へ ひ弱な男が増え…実は非常にシリアスな問題 (1/2ページ)

 中国国家統計局は先月21日、2018年の中国の出生数が前年に比べて200万人減の1523万人だったと発表した。2年連続の減少で1980年以降では最も少なかった。

 中国は16年、人口抑制で40年前に導入した「一人っ子政策」を廃止し、すべての夫婦に2人目の出産を認めた。その年の出生数は131万人増えたが、翌年には肝心の1人目の子供の出生数も減るなど効果が薄れ、昨年は大きく減少した。

 この背景には、医療、住居費などの高騰がある。学校の授業料も高額で、2人目を産むと生活が苦しくなってくる。こういうことから、「どうぞ、自由に産んでください」と言われても、カネがある夫婦はすぐに産むことができたのだが、あとの人は「2人以上は無理。1人で十分です」ということになった。

 長く続いた一人っ子政策によって、中国にはいろいろな現象が起きている。子供たちは幼いころから「6つのポケットを持つリトルエンペラー(小皇帝)」と呼ばれていた。つまり、両親と父方母方それぞれの祖父母の計6人が自分1人だけを非常にかわいがってくれて、何でもあって当たり前という育ち方をしたのだ。その結果、ひ弱い人間になってしまった。

 一人っ子政策の最初の世代は現在40歳近くだが、彼らは叱られたらヘナヘナになってしまい、競争にも弱い。これは私たちの知っている昔の中国人とは全然違う。中国らしさがどんどん失われて、この国も「低欲望社会」を迎えつつある。

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