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【大前研一 大前研一のニュース時評】「一人っ子政策」影響で中国は女性支配の社会へ ひ弱な男が増え…実は非常にシリアスな問題 (2/2ページ)

 金利がほとんどつかないのに多額な貯金が眠り、それが社会を潤すことはないという日本独特の経済現象を、私は低欲望社会と指摘した。このことを書いた書籍の中国版もよく売れている。私の本が売れるのはありがたいのだが、中国には「もっと元気を出せ」と言いたくなる。

 さらに男が女より多いという人口比も、今後の中国を揺るがすだろう。一人っ子政策時代、男子を尊ぶ価値観により、性別判定検査で女子とわかったら人工中絶するケースが横行した。特に24歳以下は男が1割以上も多い。

 この世代の女性が20代後半から30代になってくると、例えば結婚するにも引く手あまた。一方、3000万人の男性が結婚難に直面するともいわれている。

 日本やドイツでは、第二次世界大戦で男が多数亡くなって極端に少なかった時代もあった。フィンランドのタンペレという都市は、かつて女性の人口が多かった。ここは繊維の街で、昔、女子工員が多数いたからだ。それ以外のところで男女比がここまでズレる現象は見たことがない。まったくの未踏の世界だ。

 今後、中国は女性支配の社会になるだろう。その一方で、ひ弱な男たちもますます増えてくる。結婚するときも、結婚後も、女性の言いなり。これは低欲望社会以上に憂慮すべき問題ではないだろうか。中国にとって非常にシリアスな問題だと私はとらえている。

 ■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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