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【激変する安全保障】米朝首脳会談「最悪の展開」で…短・中距離弾道ミサイル残れば「日本は生存の危機」 (2/2ページ)

 例えば、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮が「合衆国の本土を核ミサイルで脅かす能力」、つまり、米本土に届くICBM(大陸間弾道ミサイル)を廃棄すると宣言する。加えて、ウラン濃縮や関連施設を一部廃棄ないし凍結すると約束する。それらと引き換えに、米国は北朝鮮への経済制裁を一部解除する-。

 次の米朝首脳会談で、ドナルド・トランプ大統領がこう手を打てば、どうなるか。

 たとえ長距離のICBMが廃棄されても、射程が5500キロ未満の短距離や準中距離、中距離の弾道ミサイルは残ってしまう。その合計数は最低3ケタ。4ケタと見積もる専門家もいる。日本列島を射程下に収める数百発以上の弾道ミサイルが温存され、日本全土が核の脅威にさらされる。

 そのとき日本は…。米朝首脳会談は日本国の生存すら左右する。今月が鍵を握る。 =おわり

 ■潮匡人(うしお・まさと) 評論家・軍事ジャーナリスト。1960年、青森県生まれ。早大法学部卒業後、航空自衛隊に入隊。第304飛行隊、航空総隊司令部、長官官房勤務などを経て3等空佐で退官。拓殖大学客員教授など歴任し、国家基本問題研究所客員研究員。著書に『安全保障は感情で動く』(文春新書)、『誰も知らない憲法9条』(新潮新書)など。

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