記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】国民から意見募集も“上から目線”の財務省、「間違った緊縮」声は届くのか (2/2ページ)

 ちなみに、昨年10月には、国際通貨基金(IMF)も、バランスシートでみた各国財政状況のリポートを出し、日本では実質的な債務がないことが明確にされた。これに対して、財務省はどう考えているのか、反論があるのかないのかもさっぱり伝わってこない。

 少子化についても、1人当たり国内総生産(GDP)を高めるほか、そもそも少子化の予測はそれほど難しくないので予見可能であり、制度改正も容易だ。それなのに、なぜ無為無策のまま、危機を煽るのか、筆者にはさっぱり分からない。

 そもそも、債務だけを罪悪視して、国債を原資とする将来投資を否定するような国家財政運営はまずいはずだ。

 研究開発、教育などの将来投資分野に国債発行で臨むことは正当であることをかつての大蔵省は認めていたが、今の財務省の走狗(そうく)と成り下がった財政審の委員はどこまで知っているのだろうか。

 財務省が国民から意見を求めるのは、筆者のような「日本の財政状況が悪くない」という意見が広がっているのを警戒しているのではないか。

 意見を求めるといっても、氏名、住所と連絡先を明記の上なので、かなりの牽制(けんせい)効果になる。もし、「財政再建は必要ない」という意見が少なければそれをアピールするだろうし、そうでなければ無視することもありえるだろう。

 この際、財務省には「間違った財政危機という認識で間違った緊縮財政を国民に押しつけた」ことを教えてあげてもいいかもしれない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

関連ニュース