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【高橋洋一 日本の解き方】米朝会談は日本外交の正念場! 米国には頼めない拉致問題…非核化費用負担で積極関与を (2/2ページ)

 そうした日本の関与は結果として拉致問題への取り組みにも役に立つだろう。日本は米国頼みで北朝鮮問題を解決するのは無理であり、相応のリスクと負担を持って、当事者として対応しなければいけない。

 その意味で、日本は今厳しい立場である。北朝鮮問題を抱えつつ、北方領土問題を解決してロシアと平和条約の締結という戦後処理の最難問を処理しようとしている。北方領土問題の背景には、1956年の日ソ共同宣言後のいわゆる「ダレスの恫喝(どうかつ)」があった。「沖縄を返さない」と当時のダレス国務長官に恫喝され、日本は「四島返還」を主張せざるを得なくなった。これは国際常識からみても無理筋なので、米国の思惑どおり、日ソ間で交渉は実質的に行われないまま70年近くが過ぎた。

 この時間を安倍晋三政権は取り戻そうとし、ようやく「脱米」に近づいている。安倍首相との個人的なつながりのあるトランプ氏は別としても、米外交筋にとって日本が独自外交でロシアと平和条約交渉するのは面白くない。

 このためか、今回の米朝会談では日本への事前相談は少ないようだ。そうした意味でも北朝鮮問題は日本外交の試金石だといえる。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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