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【高橋洋一 日本の解き方】作家・堺屋太一さんの驚くべき洞察力 官僚主導国家の限界見抜く (1/2ページ)

 堺屋太一さんが亡くなった。作家として有名であったが、元官僚としては、筆者の先輩だ。元官僚でありながら、出身官庁に頼らず自分の力だけで生きていける堺屋さんは筆者らの憧れでもあった。

 堺屋さんとはいろいろなところでご一緒させていただいた。堺屋さんのお兄さんは旧大蔵官僚、堺屋さんも旧通商産業省出身で、官僚の世界は隅々まで知っていた。その堺屋さんは、「日本は官僚主導国家であるので、これからの『知価革命』の情報化社会には対応できない」ということを、かなり前から言っていた。全くその通りだ。

 実は、筆者は他の人の本はあまり読む気がしなかったが、堺屋さんの本は別だ。『知価革命』や『日本とは何か』は今読んでも色あせない。驚くべき洞察力だ。

 筆者らが第1次安倍晋三政権以降、公務員改革を行っていたときには、堺屋さんの歴史的知見や公務員経験は、理論・歴史のバックボーンだった。

 ある時、官僚主導国家でひどいものは何かと議論したことがあった。その中で、各省がそれぞれ独自の「法人格」を作っているのは困るという話になって、大いに意気投合したものだ。

 例えば、教育分野に新規参入しようとする。本来なら株式会社を作って「学校免許」をもらえば、それでおしまいで、「学校免許」の適格性だけに問題は絞られる。ところが、官僚の作った制度では、学校は「学校法人」でないと、学校免許すら取れない。

 株式会社なら、誰でも出資金さえ出せば設立可能だが、「学校法人」は文科官僚が認めないと設立もできない。しかも、「学校法人」と「学校免許」の2つのハードルを越すのは至難の業だ。

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