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【高橋洋一 日本の解き方】風前の灯火だった「はやぶさ2計画」…科学技術投資に“国民の声”生かす ふるさと納税の応用版も一手だ (2/2ページ)

 これらがもたらす人類の科学的知見への貢献は大きい。小惑星は原始の太陽系の様子をそのまま残していると考えられるので、その内部からのサンプルは貴重なものだ。

 科学的知見のみならず、将来の社会的な実用分野への貢献も期待できる。小惑星はこれまで地球に衝突して壊滅的な被害を出してきている。最近でもロシアに落下して被害が出た。小惑星の地球への衝突の可能性がある場合での危険回避策の検討なども求められているが、その基礎資料として小惑星探査は欠かせない。

 さらに、将来人類が宇宙進出した際、小惑星は月や火星と異なり重力が小さく資源探査では優位とみられることから、探査の重要性は増している。こうした事情から、日本がきっかけとなり、欧米でも小惑星探査の動きが活発化している。

 はやぶさ2に関わる事業期間は10年度から21年度までで総事業費は289億円。初年度の10年度では、概算要求15億円に対し、民主党政権交代直後、要求を差し替え、さらに事業仕分けで削減され3000万円となった。10年6月に初代はやぶさが帰還すると、国民からの要望が後押しとなって11年度は30億円になった。もし初代はやぶさの活躍と国民の要望がなければ消えていたかもしれないプロジェクトだ。

 予算不足は将来への投資不足を意味する。科学技術や教育は将来投資なので国債で行ったほうがいい。政府が投資先を選別できないのであれば、ふるさと納税の応用版で寄付金税額控除による「未来投資納税」を作り、国民が選んでもいいだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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