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【高橋洋一 日本の解き方】米朝会談決裂はトランプ氏の真骨頂 期待裏切られた中韓と北朝鮮…安易な妥協なく日本に好結果 (2/2ページ)

 ソ連は当時、経済が疲弊しており、軍縮を進めたかった。結果として、レイキャビクの決裂で時間がかかることとなって、ソ連の崩壊まで誘発した。

 今回のハノイ会談では、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、経済制裁に音を上げて交渉を求めてきた。このサインをトランプ氏は捉えて、交渉をまとめることは可能であったが、まとめずに制裁継続の道を取ったのは、レイキャビク会談が念頭にあったのかもしれない。

 なにしろ、レイキャビク会談の成果でもあるINF全廃条約を廃棄したのはトランプ氏なのだ。当然その経緯は分かっているだろう。

 今回のハノイ会談について、「安易な妥協よりいい」と「残念」という2つのタイプの感想がある。米国は前者、北朝鮮は後者なので、米朝どちらのスタンスに近いかがわかる。

 韓国は後者だ。米朝の仲介役を自称し、北朝鮮ベッタリだったので、さぞ残念だろう。中国も韓国と同様だ。

 日本は前者だ。米国の安易な妥協で、北朝鮮の中距離核が日本にだけ向かうのは最悪だ。

 それにしても、土産なしで手ぶらで60時間以上かけて陸路で帰国した金正恩氏の心中はいかばかりか。3回目の米朝首脳会談は約束されていないがあるとしても、シンガポールとハノイよりもっと北朝鮮に近くないと行けないのではないか。韓国よりむしろ日本も開催地として適切だろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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