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【高橋洋一 日本の解き方】大阪「ダブル選挙」が試金石! 府と市は“対立”か“補完”か… 万博とIRにも影響 (2/2ページ)

 今度の2025年万博では、大阪市の負の遺産である夢洲(ゆめしま)を活用する。かつての大阪市は、夢洲の開発で失敗した。市による運営では広域的な発想をしようがないこともあって開発は頓挫し、ゴーストタウン化した。今回は、関西国際空港から夢洲、夢洲から京都への直行便を構想し、この動線を生かして近畿圏を活性化しようとしている。これは、従来の「府市合わせ」では考えられなかったことだ。

 「大阪都構想」の理論的な基盤は、都市の最適規模論がある。その前提として行政には「補完性の原則」というものがある。簡単に言うと「現場に近いほどいい」というものだ。

 ゴミ収集、保健所などは基礎的な自治体(市町村)、上下水道や公共交通などの広域的なインフラは広域(都道府県)、外交・防衛などは国という役割分担になる。

 基礎的な自治体の最適規模は、人口で30万~50万人程度というのが、行政の定説である。この観点では、人口260万人の大阪市は大きすぎる。政令都市制度自体が、そもそも最適規模から逸脱しているが、大阪府と大阪市の歴史的な関係は両者が過度に競い合い、理想的な「補完性原則」からほど遠いものだった。その結果、大阪市には児童相談所の数が少ないなどの弊害もあった。

 ダブル選挙で、松井・吉村両氏のどちらかが負ければ、万博とIRの雲行きは怪しくなるだろう。大阪府市、近畿圏が国際的な地域として発展できるかどうかの岐路に立っているといえるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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